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生ハムができるまで

ベストロケーション


長野県を代表する名峰である八ヶ岳や浅間山からの吹きっさらしの風は、更なる乾燥環境を促します。
それゆえに八重原テロワール=風土は、日本の生ハムづくりのベストロケーションであると考えています。
ワイン産地の主な特徴は、年間降水量が少なく乾燥し、昼夜の寒暖差が大きいことです。
特に東御市八重原は台地になっており、ワインエリアきっての寡雨地域になります。

生ハムに使用する豚


長野産豚の中から、ハモンヤエハラのビジョンであるジャパンブランドに適した、
信州吟醸豚・オレイン豚をメインにしています。

1. 塩


生ハムに使用する天然塩は、ミネラルである沖縄の海塩と、山のミネラルであるネパール岩塩と大鹿村の山塩をブレンドして
骨付きもも肉の状態や気温湿度を見て、配合比率を毎回仕込み時に変えています。
また 塩漬けは、原材料に対する比率をもとに適正な塩を計量し、3回に分けて行います。
仕込みの初日、3日後、7日後に丁寧に塩漬けし そのたびにドリップを拭き取ります。
塩が肉にしっとり染みこみ、発酵熟成のための第一歩を歩み出します。

2. 伏流水


東御市八重原の地下水は、八ヶ岳連峰蓼科山からの伏流水です。
江戸時代、当時の小諸藩が約55kmにも及ぶ灌漑工事を行い、稲作の為の用水路により
八重原まで引き入れられた水です。
生ハムの製造工程の「塩抜き」では大量の水を使い、浸透圧で塩を抜きます。
その水質も極めて重要な要素で、ハモンヤエハラでは八ヶ岳からの潤沢な水を使用しています。
このように自然水を潤沢に使用した製法は 日本の誇るべき水資源です。

3. 科学的なアプローチ


生ハムの製造工程は、日数の経過のみで次工程への移行を判断するような非科学的な工程手順は取りません。
科学的なアプローチを基本方針とし、原木の重さを1本1本その都度量り、歩留率の数値を判断材料にして、次の工程に進みます。
原木1本に対する作業量は膨大になりますが、日本人クラフトマンシップを表現する生ハムのためには欠かせない作業になります。

4. 乾燥・熟成庫


発酵熟成庫は第1庫である乾燥庫と第2庫である熟成庫があり、それぞれ乾燥・発酵熟成に適した温度湿度帯にIoT管理し、生ハムにとっての最適な環境に調整します。
乾燥・熟成庫にある24時間自動管理の換気扇により外気を取り入れながら、八重原のテロワールを存分に引き込みます。
庫内温度も熟成初期は低温で、第2庫に移ってからはやや温度帯を上げて、更なる発酵を促します。
また、庫内温度及び湿度を記録する温度計を設置し、データを蓄積。加えて生ハムの個々の状態も記録し、トレサビリティを施し、次年度への製造方針の改善を行っています。
これらのデータ・ドリブンによってハモンヤエハラの生ハムは日々、進化を遂げていくのです。

5. ウェットエイジング


真空包装することで生ハム原木の表面が空気に触れなくなり、歩留率=可食部分の減少を防ぎます。
生ハムは長期熟成すればするほど味わい深くなり、価値が上がることが特徴ですが、熟成と同時に表面が酸化し可食部分が減ってしまうことが難点でした。
ハモンヤエハラでは真空包装をしウェットエイジングにより追熟成を行なうので、5年熟成も10年熟成も可食部分減ることはありません。

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